カバンに入れたはずの財布がない、家の鍵を職場に置いてきてしまう、暖房の電源を消したのか忘れてしまうなど、忘れっぽいことは誰にもあります。
しかし、あまりにも頻度が多いと、信用を失ったり、仕事にならなかったりしますよね。
もしかしたら、それは発達障害が原因かもしれません。
この記事では、発達障害のADHDとASDについて詳しくお伝えします。
こんな経験はありませんか?
忘れっぽいという症状は、発達障害の症状のひとつです。
カバンに入れたはずの財布がない、家の鍵を職場に置いてきてしまう、暖房の電源を消したのか忘れてしまう、など忘れっぽいことは誰にもあると思います。
個人的なミスだとまだ面白い話としてネタになりますが、この頻度がとても多いと信用を失ったり、仕事にならなかったりしますよね。
会議で必要な重要な資料を忘れてしまう、お金が絡む申請書類の締め切りを忘れてしまう、このようなミスが続くと、周りからも心配されてしまうのではないでしょうか。
また、コミュニケーションの部分でも、言ってはいけないことを言ってしまう、相手の質問をさえぎり一方的に自分のことをしゃべってしまうなども発達障害の症状のひとつです。
言葉の裏に隠された意味を理解することができず、言葉通りに受け取ってしまい、失敗したことがあるという人もいるでしょう。
これも発達障害が原因と考えることができるのです。
ではどんな発達障害があるのでしょうか。
詳しく説明していきます。
発達障害の種類
発達障害は大きく3つあるといわれています。
注意欠如・多動症と言われるのが、ADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)です。
文字通り不注意、多動性・衝動性が主な特性です。
また、自閉症という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、これは自閉症スペクトラム症候群に含まれる症状です。
自閉症スペクトラム症候群のことをASD(Autism Spectrum Disorder)と呼ぶこともあります。
自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、これらをまとめて自閉症スペクトラム症候群というのです。
学習障害も発達障害の一種です。
学習障害はLD(Learning Disabilityとも呼ばれ、聞く、話す、読む、書く、計算・推論する能力に困難が生じる発達障害のことです。
LDのタイプは読字障害(ディスレクシア)、書字障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)に分かれています。
ADHDの特徴
ADHDは行動をコントロールしている前頭葉の働きが弱いことが関係していると考えられています。
そのため、集中力が継続できずケアレスミスが多い、モノをなくすことが多い、スケジュール管理が苦手などの症状が不注意の症状が出てしまいます。
ADHDの特性である「不注意性」ゆえに、内容をよく読まないで記載したり、確認作業を飛ばしたりすることで、ミスが発生します。
整理整頓がうまくできないことから、目当ての物を探すことに時間がかかり、そのうちに人から声を掛けられて何をすべきか忘れてしまうというケースもみられます。
また、落ち着きがない、金銭管理が苦手、じっとしているのが苦手といった多動性や衝動性の症状もあります。
何か作業をしながら電話をするといったマルチタスクはいろんなところに気が散ってしまいADHDの人には向いていません。
電話以外でも、何か作業するときはマルチタスクにならないように、作業媒体をひとつにするなど工夫をしましょう。
ADHDの方は「特定の分野や興味のあることに異様な集中力を発揮できる」という過集中をしていることがあります。
しかし、それは自分が本当に好きなことに対してのみだったりするので、業務でこなさなくてはならない仕事の場合、発揮できないこともあるのです。
ADHDは独自の視点や豊かな発想を持つことでその才能を生かしたり、衝動性も適切な方向で発揮することで行動力につながることも知られているのです。
ASDの特徴
ASDには、知的障害を伴う自閉症と、知的障害を伴わない自閉症(高機能自閉症やアスペルガー症候群)があります。
特に「知的障害を伴わない自閉症(アスペルガー症候群)」の場合、知的発達の遅れがないため、子どものころは学業成績や生活態度などにも問題がみられません。
大人になってから対人関係などがうまくいかない状況が続き、生きづらさや自尊心の低下につながることがあるといわれています。
主な症状特徴としては「対人関係における障害」と「同一性へのこだわり」です。
対人関係における障害とは「相手の心情を表情や言葉のニュアンスから察することが苦手」「場の雰囲気を読むことが難しい」といった状況のことをいいます。
一方、同一性へのこだわりとは、「特定の対象に対して強い興味を示す」「反復的で機械的な動作が見られる」「こだわりが強く、状況に応じた柔軟な対応が難しい」という状況です。
こだわりがとても強いので、IT関係のスキルや、ルーティンをこなすことに長けています。
コミュニケーション能力が必要な業務ではなく、なるべく1人でコツコツする作業は向いているでしょう。
まとめ
今回は日常生活において小さなミスや人に迷惑をかけてしまうことが多く悩んでいる人に向け、発達障害の症状や特徴を解説しました。
自分の特性についてしっかりと認識することで対処方法や、ミスを減らしていくことにつながります。
今回説明した発達障害があっても働くことはできますし、仕事をしたいというポジティブな気持ちが大切です。
就労継続支援B型ぐりーんぴーすでは、皆さんの「働きたい」を応援して就労を通じて自立していくお手伝いをしたり、障がい者雇用を考えている企業さんにサポートをおこなっています。
まずはお気軽にあなたの希望や悩みをぜひ聞かせてください。