現在、ADHDの人は20人に1人の割合で存在していると言われています。
しかしながら、ADHDは具体的にどんな症状を持っているのかわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ADHDの方が仕事中や日常生活を送るうえで困っていることはどんなことなのか、またどのように対策すれば失敗を防ぎ働きやすくなるのか解説します。
ADHDの特徴について
ADHDは「Attention-Deficit Hyperactivity Disorder」の略称で、日本語に訳すると「注意欠如・多動症」です。
文字通り「不注意」「多動性・衝動性」が主な特性となります。
集中ができずケアレスミスが多い、モノをなくすことが多い、スケジュール管理が苦手などの症状が不注意の症状です。
一方で、落ち着きがない、金銭管理が苦手、じっとしているのが苦手といった多動性や衝動性の症状もあります。
ADHDは行動をコントロールしている前頭葉の働きが弱いことが関係していると考えられています。
独自の視点や豊かな発想を持つことでその才能を生かしたり、衝動性も適切な方向で発揮することで行動力につながることも知られているのです。
日常生活において困る場面
ADHDの方が日常で困っていることをまとめました。
忘れ物や失くし物が多い
注意欠如傾向の強い方は、忘れ物が多い、失くし物が多い、という特徴があります。
出かけるときに、カギや定期券、携帯電話などの必需品をバッグに入れるのを忘れたり、それを外に置いてきてしまったり。
無意識のうちに「物を置く」という動作を、用事を済ませその場から離れるときまで記憶に留めておくことが極めて困難なのです。
整理整頓がうまくできない
ADHDの方の中には、書類などをデスクに置いたまま別の仕事に気を取られた結果、机の周りが散らかるという方がいます。
ペンやハサミといった道具類も無意識のうちにどこかに置いてきたり、ひとまず引き出しの中に入れておいたりするため、持ち物を整理することが苦手な傾向があるのです。
そのうちに机周りに物が積み重なり、次第に整理整頓をする気が起きなくなることが少なくありません。
金銭管理を持続できない
ショッピングに出かけ、勧められるままにたくさんの服を買ってしまったり、ネットショッピングで、爆買いしてしまったりお金の管理が苦手な人がADHDには多いです。
気づかないうちにリボ払いになっていて明細の数字がすごいことになっていたというトラブルにもつながってしまうこともあります。
仕事においての困る部分
ADHDの特性のために仕事で困る具体例として以下のようなことがあります。
スケジュール管理ができない
ADHDの特性である「不注意性」ゆえに、内容をよく読まないで記載したり、確認作業を飛ばしたりすることで、ミスが発生します。
整理整頓がうまくできないことから、目当ての物を探すことに時間がかかり、そのうちに人から声を掛けられて何をすべきか忘れてしまうというケースもみられます。
集中できるときとできないときの差が激しい
ADHDの方は「特定の分野や興味のあることに異様な集中力を発揮できる」という過集中をしていることがあります。
しかし、それは自分が本当に好きなことに対してのみだったりするので、業務でこなさなくてはならない仕事の場合、発揮できないこともあるのです。
また、ADHDの特性上、人から話しかけられたり、仕事以外に気にかかることがあったりすると、そちらに気を取られて集中できないという人もいるのです。
マルチタスクができない
ADHDの方はマルチタスクが苦手です。
電話中にメモを取る、何か作業をしながら電話をするというマルチタスクは、ADHDの人には向いていません。
電話以外でも、何か作業するときはマルチタスクにならないように、作業媒体をひとつにするなど工夫をしましょう。
ADHDと向き合いうまく生きていくための対策方法
ADHDと向き合ってうまく生きていくためにはどのような工夫をすればいいのでしょうか。
いくつか例をあげてみます。
手帳・メモ帳・スマホを携帯してすぐにメモを取る
「手帳・メモ帳・スマホなどを常に携帯して、タスクが発生したら、すぐにメモを取る習慣をつける」というのも効果的な対策です。
そうすることで、注意散漫による物忘れなどを防止することができます。
大事なのはすぐに取ることです。
ADHDの人はこのメモを取ることすら先延ばしにしてしまうので、すぐにメモを取るようにしましょう。
ToDoリストを作る
「ToDoリスト」とは、業務の中で実際に取るべき行動、これから「すべきこと」に焦点を絞って項目化したものです。
理想的なToDoリストは、記載事項を順次実行するだけで、目標達成や課題解決に至るリスト。
実際に処理が終わったら、その項目を線で塗りつぶしたり、末尾に「済み」と記載したりと進捗などの状況確認をすることも大切です。
現在の状態が把握できるだけでなく、達成感も得られるため、モチベーションも上がるというメリットも期待できます。
周りの人に特性を理解してもらう
ADHDの人は、何かの作業に取り組んでいるときに別の作業が舞い込むと、新しいほうに気を取られがちです。
元々おこなっていた作業を後で思い出せなくなったり、次の予定を忘れたりするということも少なくありません。
周囲の人と予定作業内容を共有して、リマインドをお願いしておくことでうっかり忘れてしまうことの予防をすることができます。
まとめ
今回はADHDの症状や苦手とすること、またADHDとどのようにして向き合っていくべきかポイントをまとめて解説しました。
自分の特性についてしっかりと認識することで対処方法や、ミスを減らしていくことにつながります。
今回説明した発達障害があっても働くことはできますし、仕事をしたいというポジティブな気持ちが大切です。
就労継続支援B型ぐりーんぴーすでは、皆さんの「働きたい」を応援して就労を通じて自立していくお手伝いをしたり、障がい者雇用を考えている企業さんにサポートをおこなっています。
まずはお気軽にあなたの希望や悩みをぜひ聞かせてください。