アルコール依存症の人の就職活動・転職活動・復職には就労移行支援を利用しよう

アルコール依存症の患者さんの悩みのひとつに、社会復帰があげられます。

就職活動・転職活動・復職など、人によってケースは様々ですが、これからどう仕事をしていくのか不安に感じている人も多いでしょう。

そんなときに、就労移行支援という福祉サービスを利用することで、スムーズに就職活動ができる場合があります。

この記事では、アルコール依存症の人に対して、仕事の悩みや向いている仕事を紹介しながら、就労移行支援ではどんなことをしてくれるのかを紹介します。

アルコール依存症とは

アルコール依存症とは、お酒を飲む量や飲むタイミング、飲む状況を自分でコントロールできなくなった状態のことをいいます。

WHOによる「ICD10」(国際疾病分類)において、アルコール依存症は「精神作用物質使用による精神及び行動の障害」の中の「アルコール使用による精神及び行動の障害」に分類されているのです。

日本では「アルコール依存症」という診断名がついていて、精神疾患のひとつとされています。

アルコール依存症の症状には「精神依存」・「身体依存」・「異常行動」などがあります。

精神依存とは、アルコールに対する病的に強い欲求を持つ状態です。

たとえば、お酒を飲むべきでないときにも飲んでしまう、飲み始めると飲む前に思っていた量より多く飲んでしまうなどです。

その後、アルコールが抜けてきた時に生体機能のバランスが崩れてしまって出てくるさまざまな症状のことを離脱症状といいます。

身体依存とは、飲酒を止めたり、飲酒量を減らしたりしたときに離脱症状が出現する状態です。

離脱症状の例としては、手のふるえ、多量の発汗、高血圧、不眠、イライラ感、不安感、けいれん発作、幻覚などがあります。

また、アルコール依存症はうつ病、不安障害、パニック障害といった身体と心の様々な病気の原因にもなります。

自分だけではなく、周りの人も巻き込んでしまう精神疾患のため、パートナーと一緒に治療をしていくケースも少なくありません。

アルコール依存症の人の仕事の悩み

アルコール依存症を発症すると仕事や社会生活に支障をきたすようになります。

飲みすぎて欠勤や遅刻を繰り返したり、記憶力が低下し大事な約束を覚えていなかったり、周りに影響を与えることもあるでしょう。

まずは断酒に専念し、規則正しい生活を取り戻す必要があります。

また、アルコール依存症は再発率が非常に高い病気といわれています。

アルコール依存症の治療がいったん終了すると、本人や家族は早期の社会復帰を望みがちです。

しかし、断酒が軌道に乗り、規則正しい生活が定着するまでは、仕事や就職をせず、断酒に専念することが大事です。

アルコール依存症の方が就職を考えるまでには、基準として断酒後半年から1年、あるいはそれ以上が必要といわれています。

仕事・就職のタイミングについては主治医と相談して決めましょう。

就労移行支援とは

アルコール依存症の人の就職活動はなかなか上手くいかないことも多いでしょう。

就労に関して困っている人に対して、就労のサポートをしてくれる「就労移行支援」という福祉サービスがあります。

就労移行支援とは、障がい者総合支援法に定められた障がい福祉サービスです。

障がいのある人が一般企業への就職に向けたトレーニングをおこない、働くために必要な知

識やスキルを習得し就職後も職場に定着できるようサポートをおこないます。

どのようなサポートがあるのかまとめましたので、詳しくみていきましょう。

就労移行支援のサービスの具体的な支援内容

具体的な支援内容について段階ごとにまとめました。

通所前期・中期:基礎訓練

生活リズムの整え方や金銭管理の方法などを学ぶ生活プログラムや、薬の管理方法、食事や栄養管理の方法などを学ぶ健康管理プログラムを受けます。

ストレッチやスポーツなどの身体運動や、マインドフルネスなどもあり、まずは健康的な生活をすることが目標です。

そこから集中力、持続力等の習得に励みます。

個人の適性に合わせた能力開発訓練などのプログラムもありますので、自分に合うプログラムを活用しましょう。

通所後期:適性に合った職場探し

就労移行支援事業では、利用者様の適正に合った職場探しをサポートします。

履歴書の添削や面接の練習などもサポート内容のひとつです。

ただし、就労移行支援事業所が直接、職業紹介をおこなうことは制度上できません。

そのため、主にハローワークや障害者就業・生活支援センター、障害者職業センター等と連携し、最適な職場を見つけるサポートが主な役割となります。

訪問期:職場定着支援

就労移行支援事業では、原則として就職後6ヶ月間の職場定着支援をおこないます。

サービスを利用した方と定期的に面談し、それぞれの相談などに対応します。

6ヶ月間かけて徐々に介入度合を下げていき、最終的にはサービスの利用者様が自立して働き続けられるようにサポートすることが目的です。

あっとふくいろは就労継続支援をしております

今回はアルコール依存症の人が就職する際に有効な支援サービスとして就労移行支援について解説しました。

障害者や就職が難しい人たちを支援はいくつかあり、私たちあっとふくいろは「就労継続支援」をおこなっている団体です。

あっと・ふくいろでは障がい者の就職活動の一助となるため、さまざまな活動をおこなっています。

障がい者の就職は一般の就職活動よりも難しいです。

制度もたくさんあり、わからないことが多いと思いますので、まずはお気軽にご相談ください。