近年、うつ病と診断される患者数は、右肩上がりに増えています。
大切な家族がうつ病と診断されたとき、本人の心や体を心配すると同時に、これからの仕事について不安に感じる人が多いのではないでしょうか。
この記事では、大切な家族がうつ病と診断されたとき、家族としてできることや、困ったときに相談する福祉サービスについてお伝えします。
うつ病の症状とは
うつ病の症状には、精神的な症状と身体的な症状があります。
1日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめない、常に物事を悪い方向に考えてしまうなども、うつ病の症状の可能性があります。
眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの身体症状もうつ病の症状として認識されています。
日常生活の中で憂うつになったり、気分が落ち込んだりといった感情の波はだれでも経験したことがあるでしょう。
そのような落ち込んだ気分は、原因が解消されたり、気分転換をしたり、ある程度時間が経過したりすることで次第に回復していきます。
大切な家族がうつ病になったときに自分ができること
家族がうつ病になってしまったときに、自分ができることは何があるのでしょうか。
やらないことも含めて、いくつかポイントをあげていきます。
うつ病について理解する
うつ病について、周りの人が病気であるということを認識し、本人が辛い思いをしていることを理解しましょう。
気力が出ず、動けない人を見ていると、色々言いたくなるかもしれませんが、まずはじっくり話を聞いてあげてください。
原因を探さない
なぜ、うつ病になってしまったのだろう、自分たちに何か問題があったのか、など、原因が何なのか家族として大変気になるかと思います。
うつ病の原因については、様々なことが関与して特定できないことがよくあります。
原因を探さずに、今できることを中心に考えるようにしてみましょう。
無理に励まさない
うつ病になる人は、基本的に真面目で優しく頑張り屋であることが多いです。
励まされることで、もうこれ以上頑張れない、こんなにまわりの人が自分のために気をつかってくれるのに、何もできない自分は情けない、と症状を悪化させてしまうことがあります。
無理に励まさず、見守ることを意識しましょう。
うつ病だと就労は難しい?
家族がうつ病になってしまった場合、このまま仕事ができないのではないかと不安になる人もいるでしょう。
しかし、うつ病という病気に関して、正しい心構えと、それに合った就職や転職に関する取り組み方を知れば、就職や転職を成功させることが可能になります。
仕事ができなくて焦っているのは、紛れもなくうつ病と診断された本人です。
まずは、うつ病という症状に向き合い、精神科や心療内科の主治医のもと、治療に専念してから就職活動の準備をしましょう。
困ったら福祉サービスを利用しよう
うつ病などの理由で就職が困難な人を支援している団体やサービスが世の中にはあります。
一緒に見ていきましょう。
就労移行支援
就労移行支援とは、障がい者総合支援法に定められた障害福祉サービスのひとつです。
障がいのある人が一般企業への就職に向けたトレーニングをおこない、働くために必要な知
識やスキルを習得し、就職後も職場に定着できるようサポートをおこないます。
就労継続支援
就労継続支援も、障がい者総合支援法に基づく福祉サービスのひとつです。
企業などで働くことが困難な場合に、障がいや体調にあわせて自分のペースで働く準備をしたり、就労訓練や仕事をおこなうことができます。
またこの支援には雇用契約を結び利用する「A型」と、雇用契約を結ばないで利用する「B型」の2種類があることが特徴です。
就労継続支援は就労の機会提供です。
一方、就労移行支援は一般就職に向けたトレーニングや就職自体の支援のため、就労移行支援は期限制限があり、賃金は基本的に発生しないということを覚えておきましょう。
ハローワーク
ハローワークでは、病気や障害のある人に限定した求人(障害者枠)も、一般の求人(一般枠)も、両方探すことができます。
また、採用面接への同行やトライアル雇用といったサービスもあるので、一度相談しに行ってみるといいでしょう。
まとめ
今回は大切な人がうつ病になったときに家族として何ができるのかを説明しました。
あっと・ふくいろでは障がい者の就職活動の一助となるため、市原市の五井駅前に事務所を構えさまざまな活動をおこなっています。
障がい者やうつ病を含む精神疾患のある方の就職は、一般の就職活動よりも難しく、不安に感じる人も多いでしょう。
制度もたくさんあり、わからないことが多いと思いますので、まずはお気軽にご相談ください。